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装着するのが当たり前!シートベルトが原因で致命傷に!

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運転席98.5%、助手席94.9%、後部座席36.0%。さてこのパーセンテージが何だかお分かりでしょうか?答えはシートベルトの装着率(参照http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/data/driver2016.htm)です。これを見ると前席の装着率にくらべると後席は想像以上に低いのが分かります。罰則がないといっても後席の危険性はシートベルトをしていても前席と同じか、むしろそれ以上(理由は後述)ということもあるのですからこれは問題です。
 
そもそも人間が自身で支えられる重さはせいぜい体重の2〜3倍程度まで。たった時速3〜5km前後の衝突が限界と言われています。シートベルトがなければちょっとした衝突でも大きなダメージを受けることがあるのです。
 
また、警察庁による発表では、事故の際のシートベルトを着用していなかった人の致死率は、着用していた人に対して約14倍も高いというデータも示されています。自分と同乗者、その安全を確保するためにはまずはシートベルトの装着、習慣づけてください。
 
 

ほんと!?シートベルトの基準が見直される?

 
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でもそんなシートベルトに関して、先日こんな報道がありました。それは国土交通省がシートベルトの締め付け圧力の基準を見直す方針を決めた、というもの。ご覧になった方もいるかもしれませんが、その記事の見出しは“シートベルト、締め付け緩和へ“というものでした。
 
見出しの文言が誤解を招きそうなものだったので、これを見て「え!装着基準がいまさら緩和されるの?」と筆者は一瞬目を疑いましたが、しかし、もちろんそんなことはありません。ではどのようなことなのかというと、事故などのクルマの衝突の時に、シートベルトが自動的に引き込まれる際の乗員にかかるその圧力の基準を下げようというのです。
 
 

頭部よりも胸部へのダメージが致命傷に!その理由は?

 
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では、なぜそんなことが検討されているのか?実は近年の調査で、自動車死亡事故において、乗員の致命傷を負った部位の割合が、頭部より胸部の割合のほうが高くなってきているためなのだとか。そしてその理由がシートベルトにあるというのです。
 
そもそもエアバッグ登場以前は、乗員の安全はシートベルトに大きく依存(それ以前はシートベルトもありませんでしたが)していました。そのため衝突しても乗員がフロントウインドウに頭をぶつけないよう、車外に飛び出さないよう強く締め付ける必要があったのです。しかしエアバッグの普及でシートベルトはエアバッグとセットで乗員を守る装置に変わりました。
 
すると乗員を締めつけ、前方への移動を抑制するそのシートベルトの締め付け負荷が逆に乗員にダメージを与える原因になってしまったというのです。そんな強い締めつけに対して高齢者などが耐えられず、ベルトに圧迫された胸部を骨折したり、さらに内臓を損傷してしまい、それが大きな致命傷となるケースが多いのだとか。
 
そこで、それを防ぐためにベルトが乗員を締めつける際の、胸にかかる圧力を下げるように基準を改めようというのが今回の基準見直しの理由なのです。
 
 

シートベルトはどうやって乗員を守っているのか

 
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カタログなどでも詳しく解説されていませんから、ここで改めて、シートベルトの働きをついて簡単に説明しましょう。(参照http://www.takata.com/around/seatbelt01.html
 
まず、事故などでクルマが何かにぶつかると、衝突検知センサーが衝突を検知してECUに信号を送ります。また同時にシートベルト巻取装置内にあるビークルセンサーも加速度の変化を検知(急ブレーキなどでもこのセンサーは働きます。)して、ベルトをロック、それ以上ベルトが引き出されないようにしてドライバーや同乗者の身体が前方に移動するのを抑えます。この間わずか0.003秒!
 
そして衝突検知センサーから送られた信号を元にECUが衝突のレベルを判定してシートベルトプリテンショナーを作動させ、シートベルトを引き込みます。するとベルトのたるみが取り除かれて乗員はシートに拘束されます。このとき車体は、その前後のトランクやエンジンルームなどの緩衝部分を効率よく変形させる(衝撃吸収ボディ)ことで衝撃を分散、吸収し、運動エネルギーを吸収することでキャビンスペースを守ります。
 
さらに、吸収しきれなかった衝突のエネルギーが乗員まで到達して、乗員が慣性の力で前方に移動し始めてシートベルトに一定の負荷がかかると、徐々にベルトの締めつけをゆるめてその負荷を吸収し、胸などへの負担を軽減させるロードリミッター(フォースリミッターとも言います)が作動、ベルト部分が送り出されます。ここまでの動作にかかる時間はわずか0.040秒!この時までにエアバッグはふくらみを完了しており、衝撃吸収ボディ、シートベルト、エアバッグの連携によって乗員は保護されるというわけです。
 
ちなみにエアバッグの正式名称は「SRSエアバッグ」といいます。SRSとは、Supplemental Restraint Systemの略で、日本語にすると補助拘束装置という意味となります。つまりエアバッグはあくまでシートベルトの補助装置であって、それだけでは役目を果たしません。シートベルトをきちんと着用することでその効果を十分に発揮するものなのです。自分のクルマは前席も後席もたくさんのエアバッグで守られているからシートベルトしなくても大丈夫だ!などと間違った考えを持っている人が身近にいるなら、最悪の事態に遭遇する前にそのことを教えてあげてください。
 
 

後席のシートベルトの安全性は前席と同じなのか

 
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じつはこのように複雑なことを瞬間的に行っているのが最新のシートベルトなのです。ただ一つ、注意しなくてはならないのはシートベルトの安全性はすべての席でおなじレベルでないということ。それは特に後席です。2012年以降に発売されたクルマなら、後席中央も全て3点式が義務化されているので、それ以前の2点式よりは確かに安全性は高くなっています。しかし、運転席や助手席にはプリテンショナーやフォースリミッターなどが搭載され、最大限の安全性を確保してくれているのに、後席のシートベルト(特に中央席)にはプリテンショナーやフォースリミッターが搭載されていないというクルマも実は少なくないのです。
 
よく言われている運転席の後ろの席がクルマの中で一番安全だ!というのも、そもそもシートベルト自体の機能に前席と後席で差があるなら決してその限りではない、むしろ前述したように前席以上に危険であることもあり得るわけです。それでも自分の安全を守るのはシートベルトが基本、エンジンやサスペンションのスペックはチェックしてもシートに関してその機能をチェックする人は多くないと思います。でも、とても実は重要なポイントなので、クルマ購入の機会があれば是非チェック項目として頭に入れておくといいでしょう。
 
ただ、今後前述のように、シートベルトの基準が見直されるのなら、締めつけの負荷を減らすためにはSRSエアバッグやプリテンショナー、フォースリミッターなどの機能がセットとなるのが基本。多くの安全装備の標準化が進み、結果的に乗員すべての安全性が高まるのであれば、なんにせよ喜ばしいことだと思います。