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歴代最大級のミニが誕生!そのサイズ、もはやミニとはいえない!?

コロッとしたフォルムに真ん丸のヘッドライト、小さなタイヤにキビキビとしたフットワーク。まるでおもちゃのミニカーのようなそのコンパクトで愛らしいデザインから、未だに世界中で愛されているのが英国車のコンパクトカー「MINI(ミニ)」です。
 
ミニのことを「ああミニクーパーのことでしょう?」などという方もいますが、正しくはミニ。ミニクーパーは、オリジナルのミニをベースに、F1をはじめ数々のレースで名をはせたジョン・クーパー氏がチューニングしたミニのハイパフォーマンスバージョンのことです。後にミニのグレード名にも採用されていますが、“ミニ”がクルマの名前でそのハイパフォーマンスバージョン(またはスポーティグレード)が“ミニクーパー”だと思ってもらえればいいでしょう。
 
でも、このような「ミニクーパーじゃなくて正しくはミニだよ。クーパーは特別なミニで…、」などといった話を、訳知り顔ですると、クルマにさほど興味のない方には嫌われてしまうので注意してくださいね。
 
そんなオリジナルのミニは2000年、20世紀の終焉と共に製造中止となりました。ここまでロングセラーとして続いたのは、実は日本での人気が非常に高かったためなのだとか。確かに今でも日本にはオリジナルミニがたくさん走っていますよね。実際中古車として現在も高値で取引されています。ちょっと中古車サイトで検索してみましたが、状態の良い最終モデルのオリジナルミニクーパーなら、軽く300万円を超える金額で取引されているようです。すごいですね。
 
現在、ミニのブランドはBMWが所有しており、2001年より新型ミニ(BMWミニ)として発売されています。そのニューミニは現在もモデルチェンジを重ね、つい先ごろ4代目が誕生しました。そしてそんなミニの最新モデルとなる「ミニクロスオーバー」も先日お目見えしたばかりです。しかし、そのミニクロスオーバーは、もはやミニ、とはいえないほどのサイズアップとなりそのことが一部でちょっとした物議というか、話題になっているようです。
 
 

初代ミニが目指したのはとにかくコンパクトに、効率的に

 
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今から60年近く前、1959年に英国のサー・アレック・イシゴニスによる画期的な設計によって誕生したのがオリジナルのミニです。当時イギリス最大の自動車メーカーであったBMC(British Motor Corporation)傘下のオースチンとモーリスの2社から発売されたことからその歴史は始まりました。
 
ミニは、その名の通り、とにかく小ささと省スペース性、そして実用性を追求して、いくつも画期的な試みがなされたクルマでした。例えばその代表がエンジンです。FFとしてはセオリー通りのコンパクトなエンジンをエンジンルームに横置きにしているという点は今のクルマと大きな違いはないのですが、特別なのはエンジンの下のオイルパンにギアボックスを配置した2階建て構造にしていること。実はバイクなどと同じ構造なのですが、こうすることでエンジンルームのスペースを稼ぐことに成功したのです。
 
初代ミニのエンジン排気量はわずか848㏄。シンプルなOHVエンジンで今の軽自動車と比べるとほんの少し大きい程度。最高出力はわずか34ps/5500rpmですから決してパワフルではありませんでした。
 
ちなみに現在の軽自動車の馬力は660ccにターボが組み合わされて64psです。初代ミニの約倍ですね。それでもこれは自主規制があってのものなので実際には今の技術なら簡単にもっとパワーを出すことが可能です。
 
また、初代ミニはサスペンションもユニークでした。金属バネの代わりに、ゴムの弾性を利用したラバーコーンサスペンションという独得なものを採用しています。このラバーコーンサスペンションの開発者は、イシゴニスの友人であったアレックス・モールトン氏。自転車ファンならその名を聞いたことがありますよね。今も人気の高い小径タイヤの自転車の設計者で、その名を冠した自転車高級自転車としても知られています。
 
日本の自転車ブランドであるブリヂストンからも、モールトンデザインの自転車が発売されていますので、興味ある方は検索してみてください。
 
 

どれだけ小さかった?初代ミニのサイズを比較してみよう

 
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(出典:MINI COOPER Sketch)

 
ミニは、そもそも中東の石油危機に端を発した、燃料高騰に対応するクルマを! ということで誕生したクルマですので、パワーよりも優れた経済性が重視されていました。ではミニとはいいますが実際にその大きさはどれくらいなのでしょうか。オリジナルミニのサイズは全長が3075㎜、全幅は1440㎜、全高は1330㎜です。数値で言われてもイメージしづらいかも知れないので、比較として現在の軽自動車の代表車種ともいえるスズキのワゴンRと比べてみましょう。
 

オリジナルミニのサイズ ワゴンRのサイズ
全長:3075㎜  全長:3395㎜
全幅:1440㎜ 全幅:1475㎜
全高:1330㎜ 全高:1650㎜

 
このように比較してみると、オリジナルミニは現在の軽自動車よりも小さいのですね。全長にいたっては30㎝以上短いのですからまさにミニなわけです。この大きさで、快適とはいえないまでも大人4人が乗車できたわけですからスペース効率の巧みさは見事としかいいようがありません。いかに設計したサー・アレック・イシゴニスが偉大だったのかがよくわかりますね。では現在のミニ(BMWミニ)のサイズはどれくらいなのでしょうか?
 

初代ニューミニ(2001年モデル)

全長:3650mm/全幅:1690mm/全高:1445mm
 

最新4代目ミニ(2014年モデル)

全長:3835mm/全幅:1725mm/全高:1415mm
 
と実はこのようにニューミニは代を重ねることに徐々に大きくなり、初代と4代目では軽く一回りは大きくなっています。それでも全長が4mを切っているので、ギリギリコンパクトカーといっても問題ないといえるでしょうか。でも、ちなみにこれは最もベーシックなミニ3ドアのサイズの話です。
 
今のミニには3ドア以外にも多くのバリエーションが用意されています。最もベーシックなのが3ドアハッチバックモデルで、同じハッチバックでも全長を伸ばして5ドアにしたモデルも設定されています。
 
さらに5ドアよりもさらに全長の長いワゴンモデルであるミニクラブマンに、そしてSUVモデルのミニクロスオーバーが基本的なミニのラインナップです。
 
このほかにもコンバーチブルや全高の低いペースマンなども設定されています。この中で最もボディサイズが大きいのが最新モデルのミニクロスオーバーです。
 
そのミニクロスオーバーのサイズどれくらいかというと、
 

全長:4315㎜/全幅:1820㎜/全高:1595㎜

 
かなりの大きさになっています。全幅だけならトヨタのクラウンを超えているのですから結構な迫力ですね。
「57年のMINIの歴史上、一番大きい車」とBMW自身が言うくらいですから当然でしょう。ちなみに最新の国産SUVとして人気の高いトヨタのC-HRのサイズは、
 

全長:4360㎜/全幅:1795㎜/全高:1550㎜

 
ですから比べてみると全長こそC-HRが上回っていますが、全幅、全高ではミニクロスオーバーが上回っています。
 
このサイズを見て、ミニというのはさすがに無理がある気もしますが、感心するのはこれだけ大きくなっているのにもかかわらず、キチンとミニの雰囲気を受け継いでいるという事。誰でも一目見ればミニの派生車種だということが伝わってきますよね。
 
 

小さいからこそミニ!大きなミニはミニではない!?

オリジナルミニを愛する人の中には、こんな大きなミニ、ミニじゃない! という意見を持っている人もいるでしょう。確かにその意見は間違いではないかもしれません。しかし、今のミニはかつてのミニが目指した経済性を重視した合理的なコンパクトカーではなく、むしろ普通のコンパクトカーとはちょっと違った、オシャレでプレミアムなブランドとして認知されています。
 
ですからむしろこのような流れは当然とはいえないでしょうか? それに、この大きなミニであるクロスオーバーはミニブランドの全てではありません。初代ミニのデザインをモチーフとして進化させた3ドアモデルや、ワゴンのクラブマンなど、昔からのミニファンやオリジナルミニに憧れる現在のミニファンのニーズをキチンと理解したラインナップも用意されています。
 
本来の小さなミニが欲しい人はベーシックなハッチバックを選べばいいのです。(それでもずいぶん大きくなりましたが)。アイコンともいうべき、伝統のそのかわいらしいフォルムは変わらず受け継がれています。
 
サイズこそずいぶんと成長してしまいましたが、その魅力は決して色褪せていません。様々なバリエーションをますます拡大して、むしろ世界中にファンを増やし続けています。オリジナルミニのファンの方も、「あんな巨大なミニなんてミニじゃない!」などとうるさいことは言わず、好みや使用目的に合わせて幅広いラインナップから選べる今のミニを、素直を受け入れるのが今の時代の付き合い方ではないでしょうか。
 
それに、今まで「ミニは魅力的だけどファミリーカーとして使うには少し狭くて…」と躊躇していた方には、この大きなミニ(よく考えると矛盾した言葉ですね)は、室内スペースも広くファミリーユースにも適しています。街で埋もれてしまうミニバンに乗るよりもきっと大いに魅力的な一台に思えるのではないでしょうか。新しい、大きなミニ、あらためてあなたも一度注目してみてはいかがですか。