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意外に気が付いていない?横断歩道が変わったのはなぜ

クルマを運転していても、いや、むしろ歩行者のほうが普段からよく目にしているはずの横断歩道。でも、あらためて考えてみると、そのディテールまであなたはキチンと記憶できているでしょか? むしろ多くの人があまり細かな部分までは覚えていないのではないでしょうか。
 
そんなことはない! と反論する方もいるでしょう。では一つ確かめてみませんか。試しに現在の日本の横断歩道の絵を何も見ずに描いてみてください。
 
どんな絵になりました? もしやゼブラ模様に横線を並べて描き、両端に縦の線を描いて、ハシゴのような横断歩道になってはいないでしょうか? 残念ながらその絵では不正解です。横線だけの横断歩道を描いた人がいればそれが正解です。実は現在の日本の横断歩道には縦の線は存在しないのです。
 
ちなみにネットの画像検索で“横断歩道 イラスト”で検索をかけてみました。すると、その半分くらいが同様に間違った、というか多くの人がイメージしていると思われるハシゴのような横断歩道が描かれていました。
 
横断歩道は、いつもそこにあるべきもので、道路を横断するときはそのペイントの上を渡るものだ、と小さなころから誰もが教育されてきましたから、当たり前すぎて逆に細かな変化に気が付かないのかもしれません。
 
実はいつのころからか横断歩道のペイントが微妙に変わってきているのです。その変化が縦のペイントが描かれなくなったという事なのです。なぜそうなったのか? またいつごろから変わったのかを調べてみました。
 
 

横断歩道から縦のラインがなくなったのはいつごろから?

若い人にとっては何をいまさらと思うかもしれませんが、実はこのこと意外に浸透していません。以前は、歩行者が横断する方向に対して横に平行に縞模様のバー状のペイントが並び、さらにその横バーの両端左右を縦方向にラインが引かれていました。縦の線によって横断歩道のスペースが明確に区切られていたわけですね。
 
しかし、現在の横断歩道には縦方向のラインがない(自転車横断帯は別です)のです。横バーの縞模様だけ、特に違和感がないこともあって多くの人が気付いていないのかもしれません。
 
このような横断歩道に変わったのはいったい、いつごろなのでしょうか? 調べてみると、明確な日付が出てきました。総理府・建設省令「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令」が1992年11月1日より施行されたことがきっかけのようです。つまり、これ日以降に新たに描かれた横断歩道や、古くなって塗りなおされた横断歩道の縦線がなくなったというわけなのです。もちろんこの日を境に日本全国全ての横断歩道が新しいものにガラッと変わったわけではないですから、しばらくの間が二つのデザインが混在していたのです。
 
変わり始めたのが約25年前ですから25歳よりも若い方は縦線がない横断歩道のほうが当然と思っているかもしれませんね。
 
ではなぜ、横断歩道の縦線はなくなったのでしょう。その理由はこういったことだとされています。
 
①塗料の白い線で囲まれた路面部分(ペイントのない部分)に水がたまってしまい、スリップや水はねの原因になりやすいため。
②塗料を節約し、塗り直し作業を短縮化して交通渋滞を減らすため。
③縦のラインがないほうがドライバーからは横断歩道がより目立って見えるため。
 
このようにキチンと意味があってデザインは変わっているのです。考えてみると、確かに昔は雨が降ると横断歩道に水が溜まっていたような気がします。クルマ以上に歩行者や二輪車、自転車のほうがその今の横断歩道のメリットを感じられるのではないでしょうか。
 
 

もっと安全に、もっと快適に!進化する横断歩道

 
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おなじみのゼブラ柄の横断歩道ではない、こんなユニークな横断歩道も登場しています。それは全国初の試みとして、静岡県静岡市葵区城内町の市道に試験的に設置された横断歩道です。なんと、平面に描かれているのに立体的に見える横断歩道なのです。まるでトリックアートのように目の錯覚を利用して、浮き上がって見える効果を取り入れているのだとか。
 
この横断歩道、歩行者側からはちょっと変わった横断歩道でしかないのですが、車道のドライバーからみると見事に浮き上がっているように見えるため、一瞬障害物があるかのようにみえるのです。つまりより強く注意を促すことができるというもの。そのため通常の横断舗道よりも、その手前でドライバーが減速する効果が期待できるのだとか。
 
先日、JAF長野支部はこんなデータを発表しました。信号のない横断歩道で人が渡ろうとしている場合でも、なんと約9割のドライバーが一時停止をせずに通過してしまうというもの。道交法では横断歩道の手前では一時停止が義務付けられていて、違反者には3カ月以下の懲役か5万円以下の罰金と、厳しい処罰が科されるのにもかかわらず、この結果です。横断歩道のペイントに工夫を凝らして歩行者の安全を守ろうという試みは間違いではないのかもしれません。
 
 

センサーとLEDを使って注意を促すハイテク横断歩道

 

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出典:キクテック

 
また、より高度な技術を使って、歩行者の安全を支援するという横断歩道も開発されています。それが、2014年に高知県の国道に導入された「横断者感知式注意喚起システム」です。
 
この横断歩道には歩行者を感知できる人感センサー設置されており、歩行者が横断しようとしている時のみ道路上の横断歩道に埋め込まれた発光する鋲(びょう)と、LEDの表示板がドライバーへ注意喚起を行うというものです。
 
交差点の存在を光の点滅などで知らせるものは以前からありましたが、そういった常に点灯しているものは、日常の一部になるとドライバーも慣れてしまい、やがて注意をひくことができなくなります。
 
でも、この横断歩道なら、歩行者が横断しようとしている時のみ必要な方向に光を点滅させることで、より強くドライバーへの注意喚起ができるのです。その点が大きな違いです。
 
常時警告するのではなく、歩行者がいない、または横断し終わった時には、道路鋲とLED 表示板は消灯するので、ドライバーの運転の妨げにもなりません。導入コストは当然かかるでしょうが、クルマの歩行者による夜間の交通事故を防ぐにはとても効果的なのではないでしょうか。今後は交通量の多い都市部にも是非積極的に導入してもらいたいですね。