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ミニバン?ワンボックス?その違いってなんだ?

その人気にも少しかげりが出はじめているとも言われていますが、いまだその姿を、特に大型のショッピングモールなどでよくみかけるのが背の高いボックスタイプのミニバンです。
 
国産車でいうと、代表は、トヨタのアルファードやノア、日産のエルグランドにセレナ、ホンダのステップワゴンなどですね。こういったミニバンは、ハイブリッドカーなどと並び家族で出かける機会の多いファミリー層などに特に高い支持を受けているよう。
 
しかし、本当に同じようなスタイルのミニバンが右から左までズラっと並ぶショッピングモールの巨大な駐車場にいると、よくこのクルマのオーナーたちは自分のクルマを見失わないなあと変に感心してしまいます。ミニバンにそれほど興味がない人からすると、どれも同じに見えてしまうのですよね。
 
白くて背の高いミニバンが3台も4台も同じように一列に並んでいて、さらにその隣に白いワンボックスバンのハイエースやキャラバンなどが挟み停まっていると、まさに白い壁状態。せめて仕事車でないミニバンのほうはもう少し個性を主張してもいいのにな、などと思ったりもします。でも、実用性やご近所さんとの兼ね合い、後のちの下取りなどを考えると、そのような選択になってしまうのも仕方がないのかもしれませんね。
 
 

バン?それともワゴン?乗用?貨物車って何?

 
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ところで、そんなミニバンと、職人さんたちの足として人気のあるハイエースやキャラバンといった、いわゆるワンボックス、その違いはなんなのか?箱型で背の高いクルマということでは同じようにも見えてしまいますし、最近は装備が充実したハイエースをミニバンのようにファミリーカーとして利用されている方もいるようですのでますます違いが判りにくいですよね。
 
ファミリーユースで使用されている場合は、ハイエースなどのワンボックス車は、ミニバンといっていいのでしょうか? となると貨物車でない乗用のワゴンならミニバンということでいいのでしょうか? でも、実際にはそう呼ぶことはありませんよね。
 
でもよくよく考えると、“ミニバン”って貨物車を指す言葉である“バン“と名前についているのに、乗用であるワゴン車である、ということも、冷静に考えるとおかしいとは思いませんか? バンなのに乗用のワゴンってなんだかとっても分かりづらいですよね。そんなことも考えると、ワンボックス車とミニバンの違い、ざっくりと一度整理してみた方がいいかもしれません。
 
 

ミニバンは車体が大きいのになぜミニバンと呼ばれるのか

ところでミニバンというカテゴリーはいつごろできたのでしょうか。ベテランドライバーの方なら覚えておられるでしょうが、少なくとも1990年代より前には、日本国内にミニバンと呼ばれるカテゴリーはなかったはずです。
 
そもそも「ミニバン」というカテゴリーの発祥はどこかというとやはりアメリカ。ウィキペディアによると1983年に発売されたクライスラー社の「ダッジ・キャラバン」がその元祖だそうです。
 
そのダッジ・キャラバンのサイズは全長4,468ミリ×全幅1,765ミリ×全高1,636ミリだったので、日本の規格である5ナンバーを超えていますが、アメリカ車としては比較的手ごろなサイズであったといえるでしょう。全長や全幅でいうと、今のプリウスくらいのサイズといえばイメージがわきやすいでしょうか。とはいえ“ミニ“というにはずいぶんと大きいですよね。
 
ではなぜこのさほどミニではないクルマがミニバンと呼ばれることになったのか?それは当時同じクライスラーのダッジブランドには、ラムバンというフルサイズのバンがあったからです。このラムバンと比較すると、この新しいキャラバンは小さいバンだ、つまり比較の問題でミニであったため、こちらをミニバンと呼んで区別するようになったということのようです。
 
しかし、発売後、この新しいカテゴリーであるミニバンの、手頃なサイズと使い勝手も良さから人気を呼び、後を追うようにして、GMがシボレーブランドで「アストロ」などを発売。こちらも大変人気を呼びました。
 
このシボレーアストロは、一時期日本でも人気車種となり、数多く並行輸入されて派手にカスタムされたものや、キャンパーに改造されたものが数多く走っていたという記憶がある方もいるでしょう。
 
 

日本でミニバンというカテゴリーが定着したのはいつか

 
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(このファイルはクリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 ライセンスのもとに利用を許諾されています。ファイル名:Nissan Prairie Joy 001.JPG/投稿者:Tennen-Gas)

 
では日本においてのミニバンはいつごろ誕生したのか? 実は1980年代の日本にも、今でいうミニバンに当たるクルマはラインナップされていました。それが日産のプレーリーや三菱のシャリオです。
 
ボンネットを持った背の高いワゴンスタイルのクルマで、貨物車とは違ったモノコックボディを持つFF車。まさにミニバンです。しかし当時はステーションワゴンやランドクルーザーなどのクロスカントリーカー、ワンボックス車などとひとまとめにしてRV(レクリエーショナルビークル)と呼ばれていて、ミニバンというジャンルはありませんでした。
 
ミニバンというジャンル、ワードが認知され一気に広まったのはバブル崩壊後、高級車やスポーツカーのジャンルが徐々にシュリンクしてゆき、アウトドアブームなども起こり、もっと実用的で経済的なクルマが注目され始めたことがきっかけでした。
 
1994年そこに投入されたのがホンダのミニバン、「オデッセイ」です。このクルマはそれまでのワンボックスバンやライトバンの延長のような野暮ったい乗用ワゴンとは一線を画していました。セダンより少し背が高くスタイリッシュなデザインで運転感覚も乗用車に近い。そんな新カテゴリーのクルマが、アウトドアブームの後押しもあって一気に人気に火がついたのです。
 
その、今考えると、中途半端に少し背が高いワゴンがなぜホンダから生まれたのかというと、実は当時のホンダには背の高いワンボックスカー生産する設備がなかったたのです。苦肉の策としていわば中途半端な車高となったのですが、しかしそれが逆に市場で受け、爆発的なヒットとなったのですから皮肉ですね。
 
このオデッセイと、後に発売された本格的なミニバン、ステップワゴンの大ヒットによって、当時経営が危ぶまれていたホンダが息を吹き返したのですから、その人気はたいしたものでした。
 
そして徐々に盛り上がっていたミニバン人気に加えて、このオデッセイのヒットが拍車をかけて、ライバルメーカーからもオデッセイのフォロワーともいうべきトヨタイプサムや日産プレサージュといった車種が投入。そしてそれぞれがヒットとなり、結果、日本に「ミニバン」という一大ジャンルが定着し、今に至るというわけです。
 
 

結局ミニバンとワンボックスの違いは何なのか

 
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(出典:Honda)

 
では、最初の疑問に戻りましょう。ミニバンとワンボックスの違いとはなんでしょうか? どちらもクルマのジャンル、カテゴリーを示したものなのは確かですが、実は明確にこんなボディならミニバン、こうなっていたらワンボックスといった定義はない、これが答えです。
 
とはいえこれでは納得されない方が多いと思いますので、定義ではありませんがこういったものがワンボックス、こういったものがミニバンと一般的に言われている、というような説明で納得してください。
 
大前提として、まず多人数乗車を目的としたクルマで、背の高いボックス型ボディを持ち、エンジンをボンネットの下に持つ(例外的にミッドシップのエスティマがありますが)クルマがミニバンと考えればおおよそ間違いではないはずです。
 
その呼び名には確かにバンとつきますが、あくまでバン=貨物車ということではなく(アメリカではバンは箱型のクルマ全般を指すものでバン=貨物専用という区分けはないようです。)フルサイズバンと区別するために生まれた、アメリカで生まれたミニバンという新ジャンルの名称を、そのまま日本に持ち込んだためミニバンというカテゴリー名で呼ばれるようになったのです。なのでワゴンであり乗用車なのがミニバンです。
 
じゃあ4人しか乗れない多人数乗車でない、軽のミニバンはどうなんだ! と言われると困ってしまいますが、軽の場合はトールワゴンのミニバンスタイルであって、大まかにジャンルで分けようとしたらそうだということで理解してください。
 
また、2ボックススタイルの多人数乗車を目的とした背の高いワゴン、例えばオデッセイなどもミニバンというジャンルに入れられます。
 
対してワンボックス車は、基本的に貨物車、つまりバンです。シンプルな箱型のボディを持ち、人ではなく荷物を運ぶことを目的として生まれたもの。もちろんワンボックスでも乗用のワゴングレードが用意されていますが、あくまで貨物車を乗用として利用できるようにしたグレードという位置づけです。
 
ですから、乗用として専用に設計されたミニバンには快適性では劣り、逆に荷物の積載性では大きく勝ります。例えばハイエースなら1tもの大荷物を運ぶことができますが、おなじような形と大きさのアルファードは8人乗りで1人55㎏×8人+α程度の積載性しか想定されていません。無理に1tもの荷物を運ぼうとすれば操縦性が不安定になり、クルマにダメージも与えるでしょう。荷物を運ぶならやはりワンボックスなどの貨物車、つまりバンがベストということですね。
 
また、エンジンは運転席の下に搭載するキャブオーバーという構造というのもワンボックス車の特徴でしょう。代表的なものがトヨタのハイエースや日産のキャラバン、マツダのボンゴなどです。
 
ミニバンとワンボックス車、それぞれ形は似通っていますが、基本設計が貨物車か乗用車か、というのが最大の違いということですね。ですので購入するほうも見た目だけでなく目的に合わせて選ぶのがよいということなのです。