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タイヤトラブルの一つ パンクの心配のないタイヤとは

(出典:株式会社ブリヂストン)
ブリヂストンが先日このようなユニークな発表を行いました。
 
空気でなく樹脂で出来たスポークでリムを支えるパンクしないタイヤです。このリリースで発表された「エアリーコンセプト」は、クルマ向けではなく自転車向けのタイヤですが、空気を入れないからパンクの心配もないという画期的なモノ。2019年の実用化を目指すというのでまだ商品化されているわけではありませんが、非常にユニークだし実用的でもありますよね。
 
タイヤ側面の特殊形状のスポークが荷重を支えるというもので、デザイン的にもとても目を引きますし、乗り心地はどのような感じなのかも気になります。このスポークにはリサイクル可能な樹脂やゴムを使用することで省資源にもつながるといいますから次世代の自転車用タイヤとしては期待大です。なによりパンクの心配がないというのはうれしいですね。
 
この「エアリーコンセプト」実は2013年にクルマ用のタイヤとしても発表が行われていました。
 
「エアリーコンセプト」は実はクルマ用が先だったんですね。クルマ用とはいってもこちらは小型モビリティ向けのタイヤで、対応できるのは60km/hまで。いわゆる普通車に使用できるレベルにはまだいたっていないようです。今後の発展に期待です。
 
このエアリーコンセプトとは違いますが、すでにパンクしないというか、空気が抜けても一定の距離を走り続けることができるタイヤというのはすでに実用化されています。日本ではさほどなじみがないのですが、ヨーロッパ車などには導入も進んでいるそのタイヤとは「ランフラットタイヤ」。
 
その名前、聞いたことはありませんか?どこかで耳にしていてもどういうものかよく知らないという方も少なくないでしょう。ということで、今回は「ランフラットタイヤ」について、その特長やメリット、デメリットなどを紹介します。
 
 

ランフラットタイヤとはどんな構造のタイヤなのか

 
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ランフラットタイヤとは、簡単に説明すると空気圧がゼロになっても一定の距離を走ることができるタイヤのことです。例えパンクしたとしても、その場でタイヤ交換やパンク修理剤の使用など応急用処置をしなくてよく、便利なタイヤというわけです。国際的な規格ISOでは空気圧0kPa時(空気圧ゼロということ)に速度80km/hで80kmの距離を走行可能なタイヤと規定されています。
 
パンクしないタイヤではなくあくまでパンク(空気が抜けても)した場合にも応急的に走ることができるというものですから、パンク状態でそのまま走り続けていい、というわけではありません。高速道路などでパンクを起こしてしまった場合に危険な高速道路上で応急処置などをする必要がなく、自動車ディーラーやタイヤショップに速やかに持ち込むことができるというもの。それでも安全上のメリットは計り知れませんよね。
 
では空気が抜けてもなぜ走り続けることができるのか?秘密はその構造にあります。ランフラットタイヤには大きく2つの構造のものが主に使用されています。
 
一つがパンクした場合でもタイヤがつぶれないようにタイヤの中にもう一つのドーナツ状のいわばソリッドのタイヤのような構造体(中子)を入れておき、こちらでクルマを支えるというタイプ。
 
そしてもう一つが、そのタイヤ自体のサイドウォール部分を強化して空気が抜けてもタイヤがつぶれないように支えるというものです。
普通ならタイヤの空気が抜ければサイドウォールがつぶれタイヤはペッタンコになって走行不能になってしましますが強化されたサイドウォールがクルマの重量を支えることができれば、タイヤはつぶれることなく走り続けることができるというものですね。乗用車用のタイヤに用いられているのは後者のサイドウォール強化タイプが一般的になっています。
 
でも、万が一パンクした際走りつづけられることができるなら、ドライバーがパンクしたことに気付けないのでは?どうやってパンクを知るのか?気になりますよね。実はランフラットタイヤ装着車には空気圧でパンクを感知してくれるタイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS)が装備されているのです。万が一ドライバーが気付かなくとも、警告灯などで教えてくれるので問題はないのです。
 
ランフラットタイヤは空気圧がゼロで走り続けることができるというのがその最大のメリットですが、この他にもスペアタイヤを積まなくてもいいというのも大きなメリットでしょう。車内のスペースの節約できるうえ、車両の重量もそれだけ軽くできるので走行性能や燃費にも良い効果が期待できますよね。
 
 

便利で安全性の高いランフラットタイヤの欠点とは

 
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ではランフラットタイヤのデメリットというか欠点は何でしょうか?まずはその価格です。ランフラットタイヤは前述したように通常のタイヤよりも複雑な構造をしているため、どうしても価格が高くなってしまいます。そのため採用しているクルマのほとんどが高価格車。そもそも市販車で最初に採用したのがポルシェの歴史に残るスーパーカー959だったといいますから、それほどのクラスのクルマでないと導入が難しかったのですね。
 
また、サイドウォールを強化しているため、通常のタイヤよりもクッション性で劣るというのも想像できますよね。初期のモノに比べればその差は少なくなったと言われていますが、やはりランフラットタイヤは乗り心地が硬いようです。クルマの乗り心地を気にする方には向いていないかもしれません。
 
さらに意外ですがランフラットタイヤがパンクした場合には基本修理はできず交換になってしまうということでしょうか。普通のタイヤであれば、パンクしたとしてもよほど大きな穴や、サイドウォールにダメージを負っていない限りは修理すればまた使用することが可能ですよね。
 
しかし、ランフラットタイヤはパンクしても走行できるというその特長のため、パンクしてしまった後は空気が抜けた状態で走り続けることになります。というかそれがランフラットタイヤですから。
 
でも、そのためサイドウォールに大きな負荷がかかったまま走行を続け、結果ダメージを受けてしまうわけです。ですから修理をしてタイヤの穴をふさいでも、すでにランフラットタイヤは役割を終えていて、使用は不可となってしまうのです。つまり、パンクしたランフラットタイヤは基本的に交換。通常のタイヤよりも高価なランフラットタイヤへの交換ですから、さらにコストはかさむわけです。
 
それでも装着することで通常のタイヤでは得られない万が一の安全性が確保できるのですから、コストパフォーマンス的には十分メリット大ともいえるのでしょうね。
 
また、使用する上で気を付けたいのはランフラットタイヤは空気圧に関してデリケートだということ。空気圧をチェックして常に適正な空気圧で走行することを心がけないといざという時にランフラットタイヤとしての機能がキチンと果たされない可能性があります。
 
空気圧が低い状態で走行を続けていると、本来空気が抜けた時にクルマを支えるサイドウォールに無駄な負荷がかかることになり、パンクしていないのに無駄なダメージを蓄積してしまいかねません。
 
そうなればいざパンクとなった場合に想定された通りの距離をしっかり走れないということもあり得るわけです。ですからランフラットタイヤは通常のタイヤ以上に常に適正な空気圧をキープしなければならないのです。とはいえ空気圧の管理は通常のタイヤでもやっておくべきこと。デメリットというのは言い過ぎですね。
 
使用する上で気を付けるべきことはありますが、やはりパンクのリスクを軽減できるというのはドライバーにとっては間違いなくありがたい事。もう少し価格が安くなり、例えば冒頭の「エアリーコンセプト」の技術が導入されるなどして乗り心地や耐久性などが改善されれば、国産車にも導入が進むかもしれません。いずれにせよランフラットタイヤのさらなる進化に期待ですね。