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グリップタイプ、フラップタイプって何? 何故違うクルマのドアハンドル

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一般的なヒンジ式のドア、ミニバンなどのスライドドア、スポーツカーのガルウイングドア、クルマのドアにも様々タイプがありますが、どのドアも開閉する為に必ず最初に触れなくてはならないのがドアハンドルです。
では、あなたは自分の愛車のドアハンドル(ドアノブ)がどのような形状だったのか記憶していますか?あらためて聞かれると意外に覚えていない、という方もいるのではないでしょうか?でも、おそらくはこのどちらかだと思います。それは「グリップタイプ」もしくは「フラップタイプ」です。
 
 

かつては高級車の証、今は軽自動でも当たり前

 
ドアサンプル
 
グリップタイプは取っ手部分が、バー(棒)状になっていて、そのバーを握り、引っ張る(ボタンを押しながら引っ張るタイプもありますね。)ことでロックが開錠されドアが開きます。乗用車なら横バー型、トラックなどでは縦バー型が多いですね。
 
フラップタイプは板状のプレートを引き上げる(プレートが横型の場合。縦型の場合は片側に倒す。)ようにすることでロックを開錠し、ドアを開きます。以前はグリップタイプはドイツ車や高級車を中心に採用されており、フラップタイプは国産のベーシックカーを中心に採用されていた、というイメージがあります。
 
しかし、コスト的に安く作れるようになったためか最近は軽自動車でもグリップタイプを採用するクルマが増えているようです。かつては高級車の証的なイメージもありましたが、今では大衆車にも採用される極当たり前のものになりました。
 
ドアノブでも例外的な特殊なタイプもあります。高級車や一部のスポーツカーなどには、フラップ式に近いのですが、プレートではなくバーを引き上げるタイプや、ボタン式、センサー式、リモコン式などもあります。
 
またワゴンやミニバンのドレスアップが盛んだった時期には、ドアハンドルを完全に埋めてしまうスムージングというカスタムが一部で流行ったこともありました。ドアも見ても、後ろのトランクゲートをみても手掛かりとなるドアハンドルがない。鍵穴もなく、またエンブレムもない。完全にフラッシュサーフェス化されていてつるつる。これをキャンバス代わりにペイントを行うというカスタムもありました。では、車外からどうやってドアを開けるのかというと、リモコンを使うのです。オーナー以外には開けられないという点では車上荒らし防止にはいいかもしれませ。でも、その状態ではいざ事故というときに救命救護ができない、という理由で車検は通らないようです。オススメできませんがそれらクルマのオーナーたちは車検の際にドアのエッジなどに簡易的なドアノブを付けて車検を通したのだとか…。
 
 

助手席のドアハンドルにコインを挟んで車上荒らし…?

 
ドアノブにコイン2
 
車上荒らしといえば、こんな話題がネットで広まっているようです。それは駐車中のクルマの助手席のドアハンドルなどに、勝手にコインを挟んでおき、あとで車上荒らしをするというもの。こういうことがあるのでクルマに乗り込む前に助手席のドアハンドルをチェックしましょうというのです。
 
それはどんな方法なのか?ネット情報を元に説明してみると、まずその犯人はターゲットとなるクルマを見つけ、(施錠され駐車しているクルマ)の助手席ドアハンドルにコインを挟んでドアハンドルを少し浮いた状態にします。そしてそのクルマのオーナーがクルマに乗り、移動を開始したらそのクルマをつけてゆきます。そして、そのクルマがどこかに駐車され、リモコンなどでロックをかける操作をしてオーナーがクルマから離れたのを確認したら、そのクルマに近づき、コインのせいでロックがかかっていない(はずの)助手席からクルマに侵入、車上荒らしをするというものです。
 
ドアハンドルにコインを挟んでおけばリモコンなどでロックが操作をしても、施錠されないという理屈なのですが、実際のところこれ本当なのでしょうか?そもそも犯罪の手法をネットで大々的に広めることにこそ問題がある気がしますが、正直これ不可能なのではないかと筆者は疑問に思いました。まず半ドア状態であれば、そのクルマのオーナーがクルマに乗り込みメーターを見ればすぐに半ドアの表示がされるのでわかるでしょうし、さらに半ドア状態であってもロックは普通かけられるものです。
 
それならば確かめてやろうと、試しに自分のクルマでテストしてみました。するとコインを挟んでおいても、リモコンで施錠をすればドアにロックがかかりました。また、施錠された助手席ドアにコインを挟み、リモコンで開錠、再度施錠としてみてもロックされたままで変化も観察できません。コインをかえて色々な挟み方を試してみましたが噂のようなコインでのロックキャンセルを結局再現できませんでした。
 
もちろんこの一つのサンプルだけで噂が100%嘘とは言い切れませんが、信憑性はあまりないように思われます。ただ、この噂を鵜呑みにして試してやろう(実際にできるかどうかは別として)というよからぬ輩はいるかもしれません。自分のクルマが犯罪者のターゲットになっているというシグナルにはなりますので、ドアハンドルにコインが挟まっているのを発見したら、用心しておくのに越したことはありませんね。
 
 

ドアハンドルの違いにみるそれぞれのメリットとは

 
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閑話休題。では、フラップタイプとグリップタイプなぜ二つのドアハンドルデザインがあるのでしょうか?それぞれのメリットを上げてみましょう。
 
まずはグリップタイプ。その特長は上からも下からも手を差し入れることができるいわばユニバーサルデザインになっていること。両手でしっかり握ることもでき、力を入れやすいというのも大きなメリットです。
 
グリップタイプのドアハンドルにこだわり、採用し続けてきたのがフォルクスワーゲンです。その採用の理由に以下のようなことを上げています。まず万が一の時でも、バーの部分にロープをかけて引っ張ることでドアをこじ開けることが出来るという安全上の理由。そして、もう一つが寒い冬に手袋をしたまま、簡単にドアを開けられるという理由です。いかにも合理的で、また寒さが厳しいというイメージのドイツらしい理由ですね。
 
さらに、最近はネイルを楽しむ女性ドライバーも多いでしょうが、グリップタイプのドアハンドルならドアを開け閉めする際にも爪が引っかかりにくく、ボディに傷をつけにくいというメリットもありますね。
 
 

メリットはありつつも徐々に減りつつあるフラップタイプ

 
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では、フラップタイプのメリットは?グリップタイプに比べてドアハンドル自体を軽く、小さくデザインすることができるということでしょうか。特にスペースに関して車体サイズの制限が厳しい軽自動車などでは、これは見逃せないメリットです。またボディとフラットなデザインにできるということで、空気抵抗も少なくできるということもあるでしょう。ベーシックカーではさほど意味がないでしょうが、性能を追求するスポーツカーではこういう小さなこともセールスの重要なポイントになるかもしれません。
 
さらに、フラップを引き上げる、倒すなどの操作はグリップタイプのように力を入れて引っ張る必要がなく軽い力でドアを開けることが可能です。力の弱いお子さんや、お年寄りならグリップタイプよりも操作しやすいのはフラップタイプのメリットでしょう。
 
もっとも最近はリモコン式のスライドドアを標準装備するクルマも増えているうえ、さらに日産の新型セレナのように、ドアの下に足をかざすだけで自動でドアを開けることのできるスライドドアというのもあります。これなら両手が荷物でふさがっていても、赤ちゃんを抱っこしていてもドアの開閉に困ることはありませんね。軽い力でも空けられるというフラップ式ドアハンドルのメリットも、もはやセールスポイントにならないのかも知れません。
 
このようにそれぞれに良い点があるのですが、最近は軽自動車やコンパクトカーでもグリップタイプを採用するクルマが確実に増えています。軽量な樹脂製のグリップタイプであれば、以前の頑丈な金属製のものより力を入れずにあけることもでき軽量化も可能ですし、上下どちらからでも握ることのできるユニバーサルデザインであることや、事故の際にドアをこじ開ける際の手掛かりにあるという安全性などを考慮すると、グリップタイプの方がよりメリットが大きいということなのでしょう。あらためて注目してみると、グリップタイプが主流になってきた理由がちゃんとあるのですね。