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小さな突起が空気をコントロール ボルテックスジェネレーターとは

最近のクルマ、特にトヨタ車のドアミラーの付け根部分を注意して見たことはありませんか? またはリアのコンビネーションランプなど。
 
「トヨタ車のオーナーじゃないから、そんな隙間や端っこなんて注意して見たことない!」って確かにそうかもしれませんね。でも、機会があったら一度その辺に駐車されているクルマに注目してみてください。86やアクア、ハイエースの最新モデルなど、なるべく新し目のクルマです。おそらくそこに不思議な小さな突起があるのが分かると思います。
 
さらにもっとよく注意して見ると、ピラーなどにも同じような突起状のフィンが見つかるはずです。本当にわずかな突起です。だいたい小指の先ほどの小さなフィン状のものが、一つであったり複数であったり、そこにあるはずです。
 
そのちっちゃな突起の名前は、「エアロスタビライジングフィン」。または「ボルテックスジェネレーター」といいます。一見単なる飾りにしか見えませんが、実はこれ空力に関係したれっきとした機能パーツなんですね。ご存知でしたか?
 
 

わざと乱流を起こすことで空気の抵抗を減らす

 
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この本当に小さな、気を付けていないと見落としてしまいそうな突起が、なんと燃費や操縦安定性の向上や、風切り音の減少などに効果を発揮するというのです。
 
こんなものが?と、にわかに信じられないかもしれませんが本当です。トヨタをはじめ最近のクルマに採用が進んでいるということは、それだけ効果が期待できるという事なのです。でなければわざわざあのようなものをメーカーが採用するわけがありません。
 
それに、このボルテックスジェネレーターは航空機や、レースの世界ではすでに使用されている空力付加物の一種で、それが市販車にも採用され始めた、というのが実際の真相なのです。
 
この小さなフィン状の突起「ボルテックスジェネレーター」の存在を筆者が知ったのは、ずいぶん昔、たしか三菱のランサーエボリューションⅧが現役だったころ。そのオプションパーツとしてルーフに取り付けるエアロパーツとしてそれが設定された頃だったと思います。こんなもので空力が良くなるのか?などと当時メディアでも話題になりました。ちなみにトヨタではこれは「エアロスタビライジングフィン」と呼んでいますが、狙う機能はほぼ同じもので、基本的には同様のものと思って差し支えないでしょう。
 
ではなぜ、このボルテックスジェネレーターの小さなフィンが空気抵抗を減らしてくれるのか。色々調べてみました。とても専門的な内容でその理屈はいろいろ複雑だったので、筆者の理解できる範囲で説明してみます。
 
まず、走るクルマの抵抗となるのが空気ですね。その空気は粘性があって立ちはだかるだけでなく走行中はクルマのボディに絡みつきます。水泳などで水の中を泳いだときのことをイメージすると分かりやすいですね。
 
その絡みついた空気がスムーズに車体面を流れて後方に抜けてくれれば抵抗は少なくて済むのですが、実際にはクルマは飛行機の翼のような、スムーズな流れが望める形状にはなっていません。トランク部分であったり、ルーフ部分でほぼ垂直に断ち切られていますよね。
 
空気には粘性があるためクルマの表面にぺったりとまとわりつき、まとわりついた空気は、クルマの後方へ抜けていくのではなく、速度が上がるにつれて車体の後端(トランクやルーフ)や抵抗の大きな部分(例えばドアミラー?)で剥離(剥がれて)してしまうのです。
 
物体から空気が無理矢理剥離(剥がれる)すると、そこに負圧(引っ張る力)が生じてしまい、それがクルマを後方に引っ張るような大きな抵抗になって燃費を悪化させてしまうのです。またその抵抗によって車体の安定性も乱してしまいます。そこで、それを減少させるために考え出されたのがエアロスタビライジングフィン(ボルテックスジェネレーター)というわけなのですね。
 
以上筆者が調べて、理解できた範囲でなるべく分かりやすく書いてみましたが、だいたいはこんな感じだと思います。おかしな部分もあると思いますが、筆者は流体力学や空力の専門家ではありませんので、その辺は申し訳ありませんがご了承ください。
 
 

市販のパーツでボルテックス ジェネレーターをためしてみる

ボルテックスジェネレーターは、小さなフィンが意図的に車体の表面を流れる空気に乱流(=渦流)を発生させます。すると空気は物体の表面から剥離しにくくなり、さらに乱流に沿うようにして空気も流れるので、ボディよりもさらに下流(後方)で、空気の剥離が起きることになります。ボディより離れた場所で空気が剥離するので車体に影響する負圧が減り、空気抵抗を減らすことができるというわけです。また空気の乱流(渦)は車体を安定させる効果も発揮するので、操縦安定性も向上させてくれるのです。加えて空気の剥離を抑えるということは、風切り音の低減にも効果的なのだそうです。ドアミラーの根元にあるボルテックスジェネレーターのフィンはそういった効果が期待できるようです。そんないいものなら自分のクルマにも試してみたいな…。そう考える方もいるでしょう。実は市販のパーツとしてこのようなものもすでに売られています。
 
クルマ用の電装品や小物などを幅白く取りそろえるエーモンの商品です。ボルテックスジェネレーターとははっきりうたっていませんが、説明書きを見る限り、こちらもボルテックスジェネレーターの一種と言えるでしょう。この商品の狙いとしては車体の安定性を増すというよりも、あくまで風切り音を減らすというのが目的にものの様です。でも、車体に貼り付けてることで、それ以外の何かしらの効果は期待できるかもしれません。
 
ネットなどの書き込みを見てみると、ドアミラーの付け根に貼ったら明らかに風切り音が小さくなった、という人もいるようですが、計測機器を使ってキチンと確かめているわけではないようなので、プラシーボ効果(思い込み)である可能性もぬぐいきれませんが理屈通りであれば何らかの効果がきっとあるはずです。
 
もちろんただクルマの端っこに貼っただけで、自動車メーカーが綿密な計算の上に設置したもののようにはいかないでしょう。でも、とても小さなパーツですし、装着したとしても目立たりません。その影響もごくわずかであると思います。例えば一種のドレスアップとして試してみても面白いかも知れません。