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今さら聞けない!フェンダーとはいったいどこの部分を指すのか?

クルマのフェンダーってどこからどこまでを指すのでしょうか?自転車やバイクにも同じ名前のパーツがありますよね。いわゆる泥よけです。でもクルマはそんな独立したパーツはなくてボディパネルの一部になっていますよね。前後左右のタイヤを覆う少し盛り上がっている部分がつまりは泥除け、フェンダーということになります。
 
その目的は石や泥、水などのはねから車体や歩行者を保護すること。今のクルマの場合、自転車やバイクのように独立したパーツになっていないものがほとんどですが昔からの名残でこの部分をフェンダーと呼んでいるのです。
 
ちなみにイギリスではこの部分フェンダーではなくウイングと呼ぶのだそうです。さらに違和感のあるネーミングですが、今のクルマではなく戦前のクラシックカーを思い浮かべてもらえると納得できるのではないでしょうか。
 
例えば、T型フォードなどを画像検索してみてください。エンジンルームのサイドからまるで翼のように広がりタイヤを覆っているウイング(フェンダー)が確認できるはずです。また、現在のクルマでも、クラシックなVWビートルのデザインを模した「THEビートル」のフェンダーも、まさにウイング(翼)ですよね。そんなフェンダーはクルマのスタイリングにとっても、非常に重要なパーツといえます。
 
 

ノーマルのクルマはなんで内股?ホイールドレスアップの定番ツライチ

 
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例えば、ノーマル状態の国産車のフェンダーとホイールの関係に注目してみてください。あらためて見てみるとホイールがホイールハウスの少し奥まった位置にあるのが分かるはずです。フェンダーからタイヤがハミ出せば保安基準不適合なので当然のごとくそうなっているのですがなんだかビジュアル的に頼りなく見えます。
 
では街を走る輸入車、特にヨーロッパ車のホイールとフェンダーの関係を見てください。国産車よりもホイールが外側にありませんか?もちろんハミだしてはいないはず。ちょっとした違いですが、ホイールが内側にあると内股っぽく弱々しい印象になり、逆に外側だとよりワイドに見え、スポーティな印象を受けないでしょうか。
 
もちろん価値観は人それぞれ違うので、必ずしも同じ印象を持たないかもしれません。でも多くの場合、ホイールはフェンダーに近いほうが格好いいとされています。だからドレスアップでホイールを交換する際にも、多くの人が、出来るだけホイールのディスク面とフェンダーのラインが近い、いわゆる“ツライチ“を目指すのです。
 
ツライチとは、ホイールをフェンダーからハミ出さないギリギリの位置まで外側に持ってきてフェンダーのラインと揃える(つまり面一に)すること。特に国産車はノーマル状態ではツライチとは程遠いセッティングなので、そうすることで印象がずいぶん変わります。それだけドレスアップし甲斐があるわけです。
 
でも、そもそも、なんでそんな格好悪いバランスになっているのでしょうか?その理由とされているのが、冬季のチェーン装着を想定しているからだ、といいます。ホイールハウス内に十分なクリアランス(余裕)がないと、チェーンの脱着が難しく、また付けた際チェーンがフェンダーにぶつかってしまうからというわけですね。
 
それに、ホイールがフェンダーの隙間ギリギリだと、ステアリングを切った状態でサスペンションがストロークした時に、フェンダーの内側でタイヤを傷付けてしまう可能性もある。なので、そういった安全面も勘案して今のセッティングなっているというわけです。
 
実用性や安全面を考えれば筋は通っています。でもならば輸入車は問題があるのか?というとそんなことないですよね。個人的には、もうちょっとフェンダーとのクリアランス少なくして、ギリギリでなくてもせめて輸入車と同じくらいがバランス的にもいい気がするのですが。
 
 

フェンダーのカスタマイズ 爪折り、オーバーフェンダー

 
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そのような国産ノーマル車の弱々しい足元の印象を、大きく変えてくれるのがインチアップ&ツライチ。お手軽で人気の高いドレスアップです。でも、そうはいってもギリギリのバランスを目指そうとすると、意外に簡単ではありません。なぜなら、フェンダーの内側のフチはフラットになっていないから。強度を保つ意味もあって、車体側に向かって鉄板が折り曲げられており、その部分が爪のように出っ張っているのです。
 
その状態でホイールをインチアップすればタイヤと爪部分が接触してしまうことも。そのせいでタイヤの異常摩耗や、最悪の場合は走行中にタイヤがバーストしまうこともありえるわけです。
 
そんなトラブルを避ける為に行われるのが、フェンダーの「爪折り」です。これは専用の工具を使って、その爪をフェンダーの内側に折り込んでしまうことです。こうすることでタイヤと接触する爪がなくなり、安全にホイールのインチアップ&ツライチセッティングが可能になるというわけです。
 
ただし、この爪折り、違法ではないですが、グレーゾーンのカスタマイズとされています。ホイールがフェンダーよりもハミだしていなければ車検などには基本的に通りますが、ディーラーによっては爪折りされたクルマは改造車として車検を断られてしまうこともあるそうです。
 
また、爪折りと同じような加工に「爪切り」というものもあります。これは文字通りフェンダーの内側にハミだしている爪を切ってしまうというもの。爪部分を折り曲げるだけの余裕がないフェンダーの場合にこういった加工がおこなわれることがあります。しかし爪折りと違って爪切りはボディシェルの一部をカットしてしまうこと。つまりボディの強度を下げる可能性があるのです。
 
それでは安全面でも不安がありますし、ボディの一部を切り取った改造車とされれば、下取り査定も大幅に減額されてしまいます。あまりオススメできない方法です。
 
手慣れたショップならそのクルマにマッチしたタイヤやホイールのサイズのデータほか、セッティングの様々なノウハウも持っているはず。爪折りや爪切りをしなくともツライチに近いセッティングも可能でしょう。インチアップする場合、自分で安易に判断せず専門ショップに相談するのがベターです。
 
 

フェンダーからのタイヤのハミ出しOK!?保安基準がどう変わった

ツライチが意外に簡単でない理由は、フェンダーの爪だけではありません。ちょっとでもフェンダーからハミだすと、車検に通らないというリスクもあるからです。だから、そのギリギリのラインを見極めることが大切なのです。
 
でも、そんなホイールのハミ出し=NGの常識が、なんと2017年6月22日から変わりました。わずかなハミ出しでもNGだったものが、たったの10mmですが、ハミ出しても良いということになったのです。
 
どういうことかというと、車検審査事務規定の一部が変更となり、定員10人未満の乗用車(つまり一般のドライバーが運転できる乗用車)であれば、タイヤがフェンダーからハミ出しても、”10mmまで”ならOK、というかハミ出していない、とみなすと変更されたのです。
 
詳しくはこのようになりました。
 
『自動車が直進姿勢をとった場合において、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方30°及び後方50°に交わる2平面によりはさまれる走行装置の回転部分(タイヤ、ホイール・ステップ、ホイール・キャップ等)は当該部分の直上の車体(フェンダ等)より車両の外側方向に突出していないこと。この場合において、専ら乗用の用に供する自動車(乗車定員10人以上の自動車、二輪自動車、側車付二輪自動車、三輪自動車、カタピラ及びそりを有する軽自動車並びに被牽引自動車を除く。)であって、車軸中心を含む鉛直面と車軸中心を通りそれぞれ前方30°及び後方50°に交わる2平面によりはさまれる範囲の最外側がタイヤとなる部分については、外側方向への突出量が10mm未満の場合には「外側方向に突出していないもの」とみなす。』
 
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難しい言い回しでとてもわかりにくいですね。要は参考図で示した部分が、フェンダーから10mmまでなら、ハミ出ていても、ハミ出ていない、という事にしていいよ、ということ。
 
あくまでタイヤだけなので、ホイールのリムやボルトはもちろんNG。「なんだそれだけか!」と思うかもしれません。そうですねタイヤだけなのでツライチにする場合にはさほどメリットはないかも知れません。
 
そもそもこの規定の一部変更は、ツライチを望むユーザーのためのものではありません。タイヤのサイドウォール部分がホイール面よりも高くなるデザインのタイヤや、リムガード、ブランドロゴなど出っ張っているものでも装着OK!とするためのルール変更です。
 
なので、わずか10mm&タイヤのみなのです。でも今までツライチにするにはギリギリのせめぎ合いだったのですからわずか10mmでも余裕ができたのはありがたいことです。
 
そんな、ちょっとしたルールの緩和ですが、こうったわずかな隙間を利用して、新たなドレスアップのアイデアが今後登場してくるかもしれません。