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バックミラー・ルームミラーが進化 モニター+カメラが当たり前に!?

(出典:Wikipedia / ファイル名:Elgrand-aroundviewmonitor.jpg 投稿者:Ypy31)
一昔前なら想像もできなかったような、様々なハイテク機能が当たり前のように装備されている現代のクルマ。車内にいながら真俯瞰から自分のクルマの姿が(疑似的に)見えるアラウンドビューモニターに、手放しで駐車してくれるインテリジェントパーキングアシスト。さらにレーダーを使用した自動ブレーキに、究極は自動運転までもが、実用化まであと一歩のところまで来ています。
 
もはや目的地を決定すること以外にドライバー(もはやドライバーといっていいのか…?)がクルマの運転(自動運転ならそれも不要ですね。)に関して、やることなんてないんじゃないか?と思えるほどに進化しています。
 
もちろん全てを機械まかせにしてしまうことに関して、懐疑的な人も少なくありません。でも、最先端の技術で運転が楽になり、なおかつ安全性も高まるならドライバーにとっては間違いなくありがたい事ですよね。
 
 

登場以来ほとんど進化していない パーツの代表バックミラー

 
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でも、そこまで進化したクルマの中でも、昔と変わらぬ原始的な仕組みのまま取り残されているものもあります。例えばワイパー。未だゴムなどのブレードでウインドウに付いた雨粒をぬぐうだけ。素材や制御技術は変わっていますが基本的な仕組みはほとんど進化していませんよね。
 
ワイパーに変わるものを発明で来たらノーベル賞が取れる!などともいわれるくらい、ですからこれ以上のアイデアや発想がなぜか生まれてこない。100年以上前から(ワイパーの誕生は1903年とされています)ほとんど進化していません。
 
そしてもう一つがミラーです。バックミラーとサイドミラーは、共に鏡に後方の様子を反射させそれをドライバーが視認するというもの。これも昔からほとんど変わっていませんよね。眩しさを抑えてくれる自動防眩機能などを持った機能性の高いものもありますが、基本は鏡であることに間違いありません。
 
でも、確かに原始的だけど、機能に問題はないし、その分シンプルだから故障の可能性もない。だからむしろこれがベスト!という意見もあります。しかし今の技術ならもっと優れたものが作れるのではないかとも思いませんか。
 
実際、今、単なる鏡であったミラーを、最新技術でより便利に使いやすく進化させようと国内の自動車メーカー各社が、積極的に取り組みはじめています。
 
 

鏡を使わないバックミラー カメラモニタリングシステムとは

 
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そのきっかけといえるのが、2016年6月17日に国土交通省自動車局が道路運送車両の保安基準の一部を改正したこと。実はこの改正で、日本でもカメラモニタリングシステムが使用OKとなったのです。カメラモニタリングシステムとは、ミラーのかわりにカメラとモニターを組み合わせたものでつまりは電子ミラー。
 
では、従来のバックミラーやルームミラーを電子化することにはどんなメリットがあるでしょう。まずはなんといっても死角をなくせること。後席に人が乗っている時、ルームミラーでは後方の視界が遮られてしまいますよね。それがなくなります。
 
また鏡ではどうしても視野の広さに限界がありますがカメラなら広角レンズの使用でより広い視野が実現できます。なおかつ今時の高感度のカメラなら夜間の視認性も大幅に高まるはず。さらにレーダーやセンサーを組み合わせれば後方から接近してくる緊急車両などをマークしてモニター上で知らせるなどという事もできるでしょう。
 
また、ミラーがない分デザイン的な自由度が増しますし、サイドミラーを大きく張り出す必要がないので、実質的な全幅の縮小も可能。加えて見た目だけでなく空力的に抵抗となる部分が小さくなるので、燃費の向上や風切音の減少といったメリットも得られるはずです。
 
逆にデメリットは?信頼性への不安です。悪天候時でも問題なく視界が確保できるのか?カメラに雨滴や雪などが付着したり、結露した場合はどうなるのか?極低温化や極高温化で故障などのトラブルが起きないか?さすがにその点ではただの鏡にはかないません。
 
またコストのことも大きな問題です。鏡と比べればカメラとモニターを使用した複雑なシステムですから高額となるのは当然です。大量生産されればある程度価格を抑えることも可能でしょうがそれでも3枚の鏡より安くなるなんてことはないでしょう。
 
さらに、最も懸念されているのが表示の遅延です。カメラがとらえた映像をいったんセンサーが読み取り、それを人間が視認できるような形に映像化して画面に表示させる、というプロセスを経る以上、光を反射するだけの鏡に比べれば表示に遅れが出るのは当然。ということはモニターに映った後方の映像は一瞬遅れたもの、だから、とっさのときに回避の遅れが起こる可能性があるというのです。
 
 

トヨタ、日産がオプションとしてすでに電子ミラーを導入している

 
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(出典:日産)

 
しかし、その点に関して筆者は心配していません。現在の技術なら遅延は最小限に抑えることが可能なはず。その根拠は最新のミラーレス一眼レフカメラにあります。こちらも以前はファインダー表示の遅延が問題視されていました。そのためスポーツ写真にミラーレスは不向き、やっぱり一眼レフじゃないと!と言われていました。
 
しかし、最新のミラーレスではその不満もほぼ解消。むしろミラーを機械的に動かす必要がないため、連写速度では従来の一眼レフ以上。ファインダー表示の遅延こそゼロではありませんが、もはや不満の無いレベルにまで改善されています。であればカメラモニタリングシステムでも遅延も最小限にとどめられるはずだからです。
 
このようにメリットも大きいですがまだまだ心配も尽きないカメラモニタリングシステム。実は一部ではすでにその技術を採用するクルマも登場してはじめています。
 
例えば、カメラモニタリングシステムを具体化したコンセプトカーというのが2016年、ラスベガスのCES(Consumer Electronics Show)で発表されました。それがBMWの『i8ミラーレス』。EVである同社のi8をベースに、左右のサイドミラーとルームミラーをなくして、変わりにカメラとモニターを装備したもの。なのでミラーレスというわけです。こちらはコンセプトカーですが、BMWは2019年にはこういったミラーレスモデルを発売するだろうと噂されています。
 
また、日本でもカメラモニタリングシステムが一部で採用され始めています。それが日産の『スマート・ルームミラー』です。
 
こちらはエルグランド用のオプションアイテムです。2014年には導入がスタートしており、カメラ映像とミラーとを瞬時に切り替えることができる世界初の技術!としてアナウンスされました。しかし、早すぎたのか表示の解像度もあまり高くなくさほど話題にはなりませんでした。
 
そして、つい先日パナソニックから「電子インナーミラー」の供給をトヨタ自動車向けに開始した、と発表がありました。対応車種はミニバンの「ノア」「ヴォクシー」「エスクァイア」、としてSUVの「ランドクルーザープラド」の4車種です。オプションで装着ができ価格は5万9400円。日産エルグランドのオプションとほぼ同額です。
 
装着することで視野が広くなるうえに、ミニバンなら後部座席に人を乗せる機会が多いでしょうから、その際には乗員で遮られる死角を減らすことが可能です。ライトを点灯すると連動して夜間モードになる上、高感度カメラ技術を使っているので、夜間やトンネル内でも映像はクリアです。この辺はミラーでは太刀打ちできない部分。もちろん防眩機能も搭載しています。
 
故障を心配されるかもしれませんが、手動レバーの操作で従来型ミラーと切り替えられるので万が一の際も安心です。今の所、採用はルームミラーだけですが、このようにカメラモニタリングシステムはとても便利そうですし、一度は体験してみたい興味深いアイテムです。とはいえすぐに自分がルームミラー変わりに6万円のオプション費用を払うか?と聞かれるとちょっと躊躇してしまうかも。
 
いずれにしてもまだ導入が始まったばかりのアイテム。サイドミラーを含めて、すべてがカメラモニタリングシステムになるにはもう少し時間がかかるでしょう。もちろん今度さらに便利に使いやすく、リーズナブルにバージョンアップしてゆくはず。それまで、もう少し、その進化を待ってみてもいいかもしれません。