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なぜ交換?いつ交換?タイミングベルトとは

日本車は他の国のクルマに比較しても特に信頼性が高いといわれています。極端な気候でない地域で、普通に使用している限りはまずトラブルは起きません。そのため、ついメンテナンスフリー(整備がいらない)なのだと勘違いしてしまいがちです。
 
でも、あくまで機械であり、トラブルの可能性はゼロではありません。近年は、ハイブリッドにPHVもありますし、各種セーフティ機能の搭載も進んでいます。クルマに搭載される技術はその複雑さをさらに増しています。
 
普通はシステムが複雑になればなるほどトラブルの可能性を増加します。それなのに日本のクルマが、これほど信頼性が高いというのはメーカーのエンジニアリング力が素晴らしいということの証明です。これは世界に誇るべきことでしょう。
 
通常のメインテナンスを受けていればトラブルなどはほとんど起こさないので、ついついほったらかしにしてしまう人もいるのではないでしょうか。でも、信頼性が高いといってもクルマはクルマ、機械です。油断していると重大なトラブルに見舞われることもあるのです。例えばタイミングベルト切れなど。
 
 

予兆もなしで、切れるときはいきなり切れるタイミングベルト

 
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タイミングベルト切れにまだ遭遇したことがないという人でも、それは人ごとではありません。突然あなたのクルマにも襲ってくるかもしれないのです。
 
定期的にディーラーなどでメインテナンスを受けていると、走行10万kmに近づくと、そろそろタイミングベルトの交換時期です!などといわることがあるはずです。その費用は車種によりますが大体3万円~8万円ほど。確かにちょっとした出費ですが、その通りに交換を行っておけば、タイミングベルト切れは未然に防ぐことができます。
 
とはいえ、整備費用が高いし、知人は20万キロ走っても大丈夫だったって言うし、だったらちょっとくらい大丈夫だろう。などと忠告を無視してクルマを使い続けていると、ある日突然タイミングベルト切れが起き、エンジンに重大なダメージを起こしてしまうのです。
 
タイミングベルト切れは起きるときは本当に突然起こります。何の前触れもなくいきなり切れて、エンジンに致命傷となるダメージを与えます。では、切れたらどうなるのでしょう。
 
具体的にはいきなりエンジンが反応しなくなり止ってしまいます。タイヤがロックしてスピン、などということはありませんが、エンジンが動かないのでクルマは減速し、走行中でもそこに停止させられてしまいます。そして以後エンジンはまったく始動不動になります。
 
タイミングベルト切れが一般道で、なおかつ後続車がいない場合なら、惰性でクルマを道路の端に寄せるなどの対処が可能ですが、高速道路を走行中にそうなってしまった場合、他のクルマを巻き込む大事故を起こしてしまう可能性もあります。危ないですよね。
 
やっかいなのは、タイミングベルトは切れる前に、異音がするとか、エンジンのパワーが落ちるなどというような予兆がまったく無いこと。本当に突然起こるのです。
 
つまりは交換時期になったら替えるしかないということ。タイミングベルトの交換タイミングは、8万kmから10万kmを走行時とされています。ただ、どれくらいの距離を走ったら切れるのかは車種やエンジンの種類、使用環境や経年など様々な要因があるので、絶対10万キロ走ったら切れるというものではありません。
 
前述したように、人によっては20万km走っても大丈夫という場合もありますし、逆に7万kmで切れてしまったということもあります。なので、一つの目安として8万kmから10万kmを走行したら交換をするようにして予防するしかありません。リスクを避けるには10万kmを超えたらではなく、10万kmに近づいたら早めに交換するというのが件名でしょう。
 
 

タイミングベルトはどのような役割を持っている?

 
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では、タイミングベルトが切れると、エンジンの内部ではどのようなことが起きるのか。まずタイミングベルトの役割について説明します。
 
タイミングベルトはエンジンの給排気のタイミングをコントロールしています。なので、タイミングベルトというわけです。現代の自動車のほとんどが採用している4ストロークエンジンにおいて、重要な役割を果たしています。
 
さらに詳しく説明すると。まずエンジンはガソリンなどの燃料と空気を混ぜた混合気を吸気バルブからシリンダーへと吸い込んでいます。そしてその混合気をシリンダー内でピストンが圧縮して点火します。シリンダー内で爆発した際の圧力でピストンを押し下げます。その力がクルマの駆動輪に伝わるわけです。
 
そして燃焼後の排気ガスは、今度は排気バルブからエキゾーストパイプを介して大気に排出されます。これを繰り返しているのが4ストロークエンジンです。
 
この吸気バルブと排気バルブの開閉を行っているのがエンジンの上部(OHCやDOHCの場合)にあるカムシャフトの回転です。これがキチンとしたタイミングで回転できないと給排気が正しく行えずエンジンはまったく動かないわけです。
 
さらにそのカムシャフトは回転は、エンジンのクランクシャフトが担っています。クランクシャフトの回転がタイミングベルトを介してカムシャフトに伝えることで、吸気バルブと排気バルブを正確なタイミングで開閉させることができるというわけです。
 
つまり、双方のバルブを開閉しているカムシャフトを、正確なタイミングで連動させるために重要な部品が、タイミングベルトというわけなのです。
 
 

ベルト交換をケチったせいでクルマが廃車になってしまう!?

 
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タイミングベルトが切れると、吸気バルブ、排気バルブが開閉できなくなってエンジンが停止する、と先ほど説明しました。
 
でも、エンジンが停止するだけならまだましです。場合によってはバルブの上下するタイミングと、ピストンの上下するタイミングがズレて、シリンダー内でピストンとバルブが干渉してしまうこともありえます。そうなればバルブが動かないところにピストンが衝突するわけですから、どれだけ深刻なダメージとなるかは想像できますよね。
 
万が一ピストンとバルブが干渉してしまったらまず修理は絶望的でエンジン交換となってしまうでしょう。タイミングベルトの交換タイミングを過ぎているクルマで、エンジン交換が必要なほどの修理、となると、通常はそこまで修理費をかけることは考えづらいですからそのまま廃車となってしまうことがほとんどでしょう。そうなってしまったら最悪ですね。
 
なので、タイミングベルトの交換をすすめられたら迷わずに交換することをオススメします。もしまだ10万kmも走っていないのにすすめられたという場合も、オイルの状態やエンジンのオーバーヒートなどの影響でタイミングベルトが劣化している場合もあります。
 
メインテナンスをお願いしていたディーラーや修理工場がそういったことを把握しているのかもしれません。さらに、かつて浸水した道路を走ったためにタイミングベルトが水に濡れ、傷み進んでいるということも考えられます。疑問があれば聞いてみて、その上で適切にベルトを交換してください。
 
 

ベルトじゃなくてチェーンもある その場合はどうするの?

タイミングベルト切れに関して長々と書き綴ってきましたが、実は最近はタイミングベルトでなく、チェーンを使ったタイミングチェーン式が増えています。その役割はまったく同じで材質がゴムとワイヤーを使ったベルトか、金属チェーンかの差だけです。
 
ベテランドライバーなら、昔はタイミングチェーンってあったけどまた戻ったの?と思う方もいるかもしれませんね。実はかつてのチェーン式は、伸びやすい上に騒音の原因になる上、タイミングベルトのようにエンジンの外ではなく、エンジン内部にあるために交換や整備工賃が高くつくという問題がありました。そのために静かで交換も簡単なベルト式が主流になったのです。
 
しかし、ベルトの素材がゴムであれば、熱や経年による劣化が避けられません。また、油分にも弱く、エンジンルームのスペースを取る(チェーン式は演じ内部に組み込める)という問題もありました。
 
そこで、以前のものよりも技術の進化した、タイミングチェーン式がまた注目されるようになったのです。今や国産車だけでなく、世界的にもタイミングチェーン式が主流になりつつあります。
 
チェーン式はベルト式のように交換を前提としていません。なのでベルトのように突然切れるというようなトラブルの心配は基本的には不要です。耐久性はベルト以上なのでオイル交換などを適正に行っていればクルマの寿命と同じくらい、だいたい30万kmは持つといわれています。そこまで走れば、チェーン云々というよりはエンジンそのもののオーバーホールが必要になります。
 
とはいえ、オイル交換などメインテナンスをキチンとおこなっていないと今のチェーンも伸びてしまう場合もあります。そうなった場合交換が必要。でもチェーン式はそもそも交換を前提としていないので、その場合非常に高くつきます。チェーン式だからと安心するのではなく、ベルトのように切れるリスクは少ないですが、クルマのメインテナンスは欠かさずに行うようにするべきですね。